ハロー、エヴリワン。

今回は「西洋のドラゴンは悪ではない」という話。
FGOやFateのネタバレ注意。

まず、ウェールズの国旗は赤い竜だ。
これはアーサー王伝説にちなみ、赤い竜はウェールズのブリトン人を意味している。
いきなり結論が出た。ドラゴンそのものは悪ではない。悪い竜はいるが、
悪とドラゴンをかけ合わせただけで、ドラゴン自体に悪の意味はない。
中世は各国の君主が〈ドラゴン騎士団〉という善の騎士団に所属しており、
いわゆるドラキュラ(竜の子)は、ドラゴン騎士団でありドラクル(竜)
であるヴラド二世の子ゆえにそう呼ばれた。
ドラクルやドラキュラに悪や吸血鬼(バンパイア)の意味はない。

FGOでは“悪竜現象(ファヴニール)”という、北欧神話の悪いドラゴンの名に
ちなんだ用語がある。竜そのものに悪の意味がないから、
わざわざ“悪竜”と悪を付け足している。

また、イングランドの国旗、聖ゲオルギウス十字の由来となる、
ドラゴン退治で最も有名な聖ゲオルギウスは、
FGOで必殺技の宝具を使う時に「汝は竜!“罪”ありき!」と叫ぶ。
ここはキリスト教の初歩で、悪と罪の区別がつかないほど頭の悪い人は、
「西洋のドラゴンは悪ではなくて罪なのか?」とすら考えない。
キリスト教のドラゴンは、“神々”が天地創造の五日目に創った生き物で、
原語では「タンニーン(תַּנִּין)」と言う。タンニーンに悪そのものの意味はない。
日本人には【リヴァイアサン】と言った方が通じるだろう。
リヴァイアサンこそ、聖書のドラゴン、タンニーンだ。
タンニーンは悪い文脈で使われがちだが、
モーセの杖(アロンの杖)はタンニーンに変わり、
エジプトの魔術を飲み込む善の側にもなり、
ダビデの詩篇で「地のタンニーンは主を褒め称えよ」と言われる側でもある。
つまり、地のドラゴンは、モーセを助け、主を褒め称えることもある生き物だ。
ところで、モーセを助けるドラゴン、主を褒め称えるドラゴンが何だって?

ともあれ、日本人は無知な老害だらけなため、
アーサー(アルトリア)・【ペンドラゴン】という善なる騎士王、
ヴラド三世という善なる竜騎士団員、
聖女マルタを護るタラスクという善なるドラゴン、
悪い竜の娘だったが“毎年”ハロウィンの面白キャラになっている
エリザベート=バートリーなどを繰り返し見ても…
「西洋のドラゴンは悪」という老害をやめられない者たちがいる。
若者もこの古臭い老害思考に同調すれば老害になる。
西洋は劣っている、東洋や日本が優れている、
という時代遅れの嘘を流す老害こそ、悪いドラゴンだ。
日本人が日本人であるために、嘘による西洋否定など必要がない。
「西洋のドラゴンは悪」と信じる日本の老害は不必要な悪だ。
現代は時代遅れな嘘つき老害を、一人も必要としていない。

木を育てるのに不要な枝が剪定されるように、
「西洋のドラゴンは悪」と信じる余計な枝は剪定される。
あるいは木そのものが不要な悪に染まるなら、木ごと伐採される。
日本は伐採される悪い木なのか、一部の枝だけ剪定されるのか。
全ては日本人次第だ。