🐸胃の中の橋姫
ある夜のこと、ダルヴィーシュが道を歩いてると、井戸の中から助けを求める声が聞こえた。「どうした?」とダルヴィーシュは井戸の底に向かって叫んだ。
「私は文法学者ですが、このあたりの道をよく知らなかったので、不運にもこの深い井戸の中に落ちてしまい、まったく身動きができないのです」
「梯子と縄を取ってくるから、それにそれに掴むんだ」とダルヴィーシュは言った。
「ちょっと待ってくれ!」と文法学者は言った。「あなたの言葉遣いは間違ってる。もう一度、正確に喋ってくれ」
「言葉遣いが命よりも大切なら、俺が正確に話せるようになるまで、そこに居つづけるがいい」
そう言って、ダルヴィーシュは去った。