ヒストールのブログ

弁護士バッジは「秤⚖」

【ヒロアカ317話】傷、血、泥は「茨と魔王」の道

 
帝高陽之苗裔兮朕皇考曰伯庸━━『楚辞』離騒
むかし皆が朕、詔、璽と言っていた。
 

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タイトル
 
 ハロー、ガイズ。
 わたし聖書ヴィヴリア神話ムーソロギアーとアメコミ好きのヒストール、よろしくね。
 これは『僕のヒーローアカデミア』317話のネタバレ語り。
 ついにその日が来た。
 

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ヒーローか人間か
 
 1話から登場していたデステゴロが辞めた。彼は世間の「10の声援に勝る1の罵声」に耐えきれず、「俺はヒーローじゃなく人間だった」と言って去った。退職理由がヴィランや忙しさではなく世間のやつ当たりと懐疑の声。まずい流れ。
 

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気骨あるヒーロー
 
 気骨あるヒーローと見られていたデステゴロが辞め、次々とヒーロー達がコスチュームを脱いでいく。残りのヒーロー達でOFAの秘密を共有し、巨大捜査網を敷きたいが、元ヒーロー達からマスコミにOFAの情報が漏れるため、大人数でデクのサポートができない。
 

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AFOの反応
 
 現状でAFOの秘密が広まれば、世間からの罵声とやつ当たりはデクに集約されるだろう。なぜかAFOは「デクやOFAの公表」を避けている。しかし、警察もヒーローも足りない。まるで敗戦後のような状態だ…。
 

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勝利…?
 
 そのときオールマイトからホークスに連絡が。AFOからの第二の刺客vsデク。即、勝利。勝利…?
 

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振り返らない
 
 デクは戦闘後すぐに移動し始める。彼はもうオールマイトの弁当を受け取らないし、オールマイトに振り返りもしない。ああ…!
 

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君だ
 
 AFOの君だ宣言とサーの“凄惨な死”の予言がデクの頭に響く。オールマイトがかつてのサーの位置に。引き止めようとしても相手はひとりで去ってしまう。デクは確かにオールマイトと同等の動きができるようになった。しかし、デクにはヒーローも世間もオールマイトの支えもない。デクはたったひとりになった。
 

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重い
 
 デクひとりの背中にこのクニすべてがのしかかる。デクはオールマイトから離れた。オールマイトの弁当は地面にぶち撒けられる。
 

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かつての
 
 デクとオールマイトのやり取りを陰で聞いてるステイン。かつてステインはオールマイトだけを「本物のヒーロー」とし、片手で脳無を殺しもう一方の手でデクを助けた。「正しき社会」を求めたステインは今何を想う?
 

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ヒーローとは
 
 ウワサが広まる。傷だらけで血と泥でとてもヒーローに見えないデクのウワサ。デクは救け続けている…!
 
 
 はぁ〜〜〜〜ー!!
 すげーカッコいいな、デクよく描いた。やべぇよ。
 こんな言い方はアレだが、『チェンソーマン』の面白い回を見てた時みてぇにわたしの胸が高鳴った。前に死柄木弔は先生をヒーローどもから奪われたわけで…今度はデクがヴィラン達からオールマイトを奪われた形。ひどい状態だけど、なんだかんだでエリートで光の道を歩いてきたデクが、弔みたいに居場所が無くなった人間に手を差し伸べても嫌味でヒーローらしくない。これは必要なことだし、今まですべての蓄積の結果として描かれてる。
 
 わたしはトゥワイスの最後、完全にトゥワイスに感情移入した。いまだに「死ねよホークス」のしこりが自分の中にある。ヒーローや正義や法律って言葉じゃなくて気持ち的に納得できない。法律や言葉を超えたヒーローとしての答えがない限り、鉛が消えない。わたしは幼児の頃からマスメディアの汚い裏側をよく見抜き、幼稚園児からヒーローを疑い、ずっとヒーローに憧れないよう自分に強いてきた丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶ので他の人と胸の底にある気持ちが違う。わたしは絵本や時代劇や特撮やアニメや小説や神話で古今東西のヒーローや善玉を見るたびに「これは偽物だ、悪だ」と自分にずっと言い聞かせてきた。誰かがわたしにそう言ったわけじゃない、自分の意志だ。
 

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茨の道
 
 わたしは幼少期から普通の意味でヒーローとか、神々とか、仏とか、天皇とか、庶民とか丶丶丶丶、日本だとか、アメリカだとか、恥だとか、努力だとかを信じたことはない。わたしが「天皇と庶民は同じただの人」「右翼は天皇を崇める悪」「左翼は天皇を叩く悪」と明確に意識していたのは五歳の時だ。すごくすごく優しい女性だけがわたしのこれを見ててくれたけども、彼女は「どうしてあなたは茨の道を行くの」と悲しそうに言った。わたしの心はヒーローへの憧れが欠落していたが正義の味方への憧れはあった。日本が「わたしを合わない個として排斥する」のも五歳から知ってたけども、それでもわたしは男だから戦う。ただ…わたしは「ヒロインを悲しませる主人公」を見ると、大切な女性の悲しそうな顔が浮かび、心が痛む。「他人を助ける為に家族を傷つける」のがヒーローや正義の味方ってのは何か間違っている。だからPlus Ultra更に向こうへ
 

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Almighty
 
 リアルの日本はどんどん貧しく、戦時中みたいな状況になってるけども、ヒロアカで「ヒーローの偽物」、呪術廻戦で「呪術師はヒーローじゃない」、チェンソーマンで「つくられたヒーロー」とふるいにかけられるからこそ、本物が芽吹く余地がある。「おかしな日本」が描かれなければ、わたしはヒーローに価値を見出さなかったかもしれない。漫画がどうと言うか、どう思い、どう生きてるかって事だが。周りに合わせて自己主張しない腰抜けは男じゃないし、個人が自己主張してもホームやスクールやカンパニーやネイションが回るようになってるのが近代化、アメリカやヨーロッパだ。日本の近代化はすみずみまで偽物で、日本は「民主主義は多数決」「みんなに合わせろ」「空気読め」「海外活動の法がない自衛隊」「契約書のない吉本興業」「人権のないAKB48」「90%以上が一日判決の北海道高等裁判所」など、パブリックやデモクラシーやエアやビジネスや法律を全否定する狂った条文と狂った大衆が支配している。政府が若者に自爆テロの洗脳をしていた頃と、今日の日本は本質が同じ。日本人はヒーローを支えるリバティ、ライツ、パブリック、シチズン、ザ・ピープル、エア、ライチャス、ライト、ジャスティス、リーズン、カンシャンス、ヒューマニティズ(アーツ)を誰も“知らない”。その背景にあるラヴ、フォーギヴ、ピティ、オールマイティ、ピース平和セイヴァー救ける者も。
 

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傷、血、泥
 
 日本の価値観は近代化度がほぼゼロで、近代を全否定する狂った掟しかない。日本は服や電子機器や建物や道路などの「上っ面だけ飾る」だけで、日本人の心や頭は前近代ヨーロッパ人に圧倒的に劣っている。日本は泥臭い…と言うより傷と血と泥の神話部分を聖化し、【魔王】を鎮めなければ立つことができない。鬼滅では“竈門”と“炭焼き”を。呪術廻戦では“呪い”と“印相”を。チェンソーマンでは“八”と“闇”を。見たくないものを見て、聞きたくないことを聞き、気づきたくないことに気づくまでは、いつまでもクニになれないクラゲの世界で、何かが荒ぶり続ける。  
 

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頼光四天王がみんないるぞ
 
 たとえば、クリスチャンはに息を吹き込まれた者を人類の祖とする。
 たとえば、クリスチャンは「原人アダムの子」をメシアの別名とする。
 たとえば、クリスチャンはついたメシアのとして呑む━━酒呑童子
 たとえば、クリスチャンは十字のはりつけられたの王を讃える━━茨木童子
 これらが“魔王”に深く関わるなんて言えないし、『酒呑童子』で源頼光渡辺綱も「アダムの子の血」を飲み、「アダムの子の肉」を食べてるなんて言えない。
  

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שָׁמִיר
 
愛する人よ、あなたは美しく、麗しい。わたしたちの寝床はの茂み。わたしたちの家の梁はレバノン杉。その垂木は糸杉。わたしシャロンのばら、の百合。娘たちの中でわたしの恋人はの茂みに咲く百合のよう。
━━『ソロモンの歌(雅歌)』1章16節〜2章2節

 

 ところで317話のタイトルは何で、この前は、魔王になりたい誰かが、誰に丶丶、何の道と言っていたかな?(ニチャァ…
   

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君はヒーローになれる
 
 夜明け前は暗い。けれどもわたしオールマイティ全能者オールマイトとデクを信じている。この作品はデクが最高のヒーローになるまでの物語だ。