ヒストールのブログ

ここは新葦原中邦の島

【チェンソーマン۳۲話؟】パワーは蟻を殺さない

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パワーδύναμιςアリを殺さない

 

 確固たる人生の方針を持って生きてるアリが、花の蜜を見つめていたとき、龍蝿トンボ(dragonfly)が飛んできて、その蜜を吸った。龍蝿トンボは軽やかに飛び去り、またすぐに戻ってきて、ふたたびその花にとまった。

 そのとき、アリ龍蝿トンボに言った。「あなたはユーはかり計画plan)なく、離持ハナレモチ努力endeavor)することなく生きている。何らはかりらしいもののないあなたにユーとって、生きていることの内伸ウチノビ意味meaningintent)はいったい何だ?そしてそれはどこに行き着くのか?」

 龍蝿トンボは答えた。

 「我はεγώ気ままに楽しく暮らしてる。我がアイ求めるのは快楽だ。これは、人生の十分な前置マエオキ目的purpose)だし、十分な外立ヨソダチ存在existence)理由だ。前置マエオキを持たないのが、我のマイ前置マエオキだ。あなたはあなたの望みどおりに生きればいい。しかし、もっと立派な生き方があると、我にミー説教しないでくれ。あなたはあなたの好きなように生きればいいし、我にはアイ我のマイ生き方がある。」

 アリは考えた。「我にはミー明らかなことが、彼にはヒムそうではないらしい。彼はヒーアリの生活がどんなものなのかよく知ってるらしいが、アイ龍蝿トンボのことはよく知ってるつもりだ。彼はヒー彼のヒム好きなように生きればいい。アイには我のマイ生き方がある」

 こうして、せいいっぱいの忠告を行ったアリは、己の仕事にもどった。

 その後しばらくして、ふたたび彼らは出会った。

 肉塊を見つけたアリが、まないたの下の床の上で、肉のかけらが落ちてくるのを慎重に待ち受けてたとき、上空から赤い肉の塊を見つけた龍蝿トンボが、滑るように降りてきて、肉の上にとまった。すると、その瞬間、肉屋の振り下ろした包丁が龍蝿トンボの体を真っ二つに切った。

 龍蝿トンボの半身が床に落ち、アリの前に転がった。アリはそのむくろを己の巣に引きずりながら、こう思った。

彼のヒズ前置マエオキは終わり、我のマイ前置マエオキは続いてる。彼のヒズ生はここで終わったが、我のマイ生はこれからも続く。龍蝿トンボは己の生き方に自信を持っていたようだが、それははかないものだった。気ままに食べてゆくだけの生は、何者かに食べられることで終わる。しかし、我がアイそのことを忠告しようとしたとき、彼はヒー我をミー、己の楽しみを邪魔する不愉快な奴としか思わなかった。」

 

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