【ヒロアカ319話】友だちのデクをぶん殴ろう!
帝高陽之苗裔兮朕皇考曰伯庸━━『楚辞』離騒
かつて、すべての人が朕、詔、璽を使った。
そして日本の璽から魔王が生じた。
ハロー、ガイズ。
朕は聖書と北欧神話とアメリカンコミック好きのヒストール、よろしく。
これは『僕のヒーローアカデミア』No.319「友だち」語り。ヒロアカ本誌ネタバレ、チェンソーマンネタバレ、ダイの大冒険ネタバレ、残酷描写注意。

時は戻る
時は戻って、デクが雄英を去った直後から。
「デクは十中八九エンデヴァーたちといる」

隠す大人たち
デクの失踪について、フミカゲはホークスに、勝己はジーパン(ベストジーニスト)に、焦凍は親父に、それぞれの師に連絡した。勝己はジーパン呼ばわりだがベストジーニストを師として認め、焦凍も親父かつ師と認めてる辺りに成長が感じられる。しかし、トップヒーローズから応答がない。三名とも無反応なのは不自然だし、焦凍たちはトップヒーローズがデクの失踪について隠してると判断した。

事態は
デクの友だち青山優雅(たぶんAFOのスパイ)はデクが大人といるならむしろ安心と言うが、あの勝己が「俺はエンデヴァーたちよりデクの事もオールマイトの事も知ってる」「多分考え得る最悪のパターンだ」と力を込めて語る。勝己の右手がボロボロな辺り、勝己はデクが独走しておかしくなる最悪のパターンに備え、凄まじい救助や訓練をしていたようだ。普段デクに強くつっかかる勝己がここまで言うのだから、マジな緊急事態。

お茶子
切島鋭児郎はすでに連絡手段を考え、デクに「ばかやろう」とキレてるお茶子は「強引に行こう」と覚悟決める。デク、お茶子がお前のためにすごく怒ってるよ。

問い詰め
お茶子アイディア。雄英校長がエンデヴァーを騙して雄英に呼び出した。焦凍はエンデヴァーに有無を言わさず、デクのことをグイグイ問い詰める。

すごい勇気
おそらく一番状況を理解してる勝己は、焦凍を抑え、自分の弱さとデクに向き合いながらエンデヴァーを説得する。「デクの事…わかってねぇんだ…」。デクはイカれてるし、デクもオールマイトも自分を勘定に入れない。自己犠牲のオールマイトは自己犠牲のデクを止められない。勝己がこれだけのことを言うのにすごい勇気が要る。

ホントにな
「エンデヴァー!2人にしちゃいけない奴等なんだよ!」
こんなに爆豪勝己がデクのため、人に素の感情をぶつけて説得するのは初めてだ。勝己の言う通り、もう「オールマイトはデクを止められねぇ」は起きた。

ダッシュ
エンデヴァーがためらいながらデクの位置を知るGPSのやつを取り出すと、瀬呂範太、峰田実、葉隠透、口田甲司、芦戸三奈がそれをダッシュして奪取する。

焦凍(´・ω・`)
もう決めた。OFAの大きな責任があっても「緑谷くんは友だちです」。明日笑うためにA組は友人のデクについていき、デクと行動する。

現在へ
A組の皆は人々を救け、デクはA組の皆に救けられた。デクは何も見えていない。デクの「皆…何で…」に、お茶子はまっすぐな目で「心配だからだよ」とデクに返すが、デクは取り合わない。おおお…お茶子がマキマのように美しい…。

笑えてンのかよ
ボロボロのフードをつけ直すデク。心配を振りまくデクがか細く「心配しないで」と言い、勝己が「そいつぁよかった!」「ンでてめェ〜は今笑えてンのかよ?」とデクを突く。勝己、男前だな。
かつて。

救けた
デクは爆豪勝己を救けた。

救けた
デクは麗日お茶子を救けた。

救けた
デクは飯田天哉を救けた。

このバカヤロー
だから!今度は救けられた者たちがデクを救ける!
緑谷くんが変わらないのは知ってる。
このオールマイト気取りが!!
このばかやろう!!
やるぞ!

キョドるナード
頑固なデクは人の話を聞かない。だから友だちが実力と気持ちでデクをぶん殴る。話はその後だ。ついでにお茶子は浮気者のデクをビンタしてから「デクくん、トガヒミコの事好きなの?」「デクくん、発目さんのおっぱいが好きなの?」と問い詰めるといいぞ!なお、「デクが全部悪い」ので、デクがどう答えても麗日ビンタ。恋の暴力はいいぞ!
次回がすげー気になるなァ〜。わたしはデクやオールマイトや衛宮士郎のような自己犠牲のヒーローが美しく尊いと感じる一方で、自己犠牲のヒーローはすごくダメだとも思う。デクのママやナイトアイを悲しませるのは何か違うと。答えは「更に向こう」にある。


左右逆転
かつてステインは天哉を偽者と決めつけ、右手で敵を粛清しながら左手でデクを救けた。本来、右は「ライト(権利は誤訳。正義。正しい)」で、左は「シニスター(不吉な,縁起の悪い,悪意のある,邪悪な)」 なのに左右逆なのが敵らしい。ここもデクの強迫観念を増やす呪いになってそう。逆に言えば、ステインが今のデク、今の天哉、今のオールマイトを見て何かを改めるところがあれば、それはデクにも好影響を与えられる。

人助け 世界125位/125ヵ国(2009年〜2018年)
何がヒーローか、何が本物か、それは展開で見せるしかない。少なくとも偽物でいいと狭い島国で開き直ったら、何の答えも出ない。西尾維新や奈須きのこは《偽物》で足と思考を止めてるが、わたしは「更に向こう」へ自分の足で歩き、自分の頭で考える。ラノベ作家やマスメディアは日本すごいの偏向報道で思考停止させたがる。しかし、わたしは漫画や作家やメディアや文科省が隠している、現代日本語の偽物ぶりを広く細かく把握している。
たとえば、ヒロアカの核となる言葉、〈個人(1884年)〉を基盤とする〈社会(1877年)〉は、19世紀末に語彙がやっと翻訳された。これらは12世紀のヨーロッパ都市部のチャーチで形成されたもので、チャーチと都市抜きの140年では得られない。19世紀末に造られた翻訳語は、〈公共〉〈公認〉〈公僕〉〈公民〉〈公務員〉 〈社会〉〈会社〉〈社長〉〈国民〉〈市民〉〈民族〉〈政府〉〈政治〉〈権利〉〈人格〉〈性格〉〈思考〉〈観念〉〈概念〉〈論理〉〈批評/批判〉〈感情〉〈気分〉〈教育〉〈教科書〉〈教会〉〈司教〉〈宗教〉〈経験/体験〉〈実験〉〈抽象〉〈具体〉〈現実〉〈実在〉〈実現〉〈実感〉〈実際〉〈実験〉〈実績〉など、標準語になっている。しかし、これらの翻訳語はすべて誤訳で、元の英語や元の日本語とのすり合わせがまったく行われていない。「なんとなく使ってる」と「政府や学校や作家やメディアがてきとうにだましてる」のが実情だ。だから日本は偽物になり、公も個も社も民も心も頭も教も実もめちゃくちゃになった。何せこれらの翻訳と使い方はめちゃくちゃで、英語にも日本語にもなかった変な字面、変な文脈なのだから。

象徴
明治天皇が崩御されるとき、「朕が一生に於いて心残りのことは、即位式を仏教の大元師の法によって出来なかったことである」と仰せられたということは、天皇の御心情として察するに余りあるものがあります。(『松島善海師談』)
九州の狂信的なテロリストが江戸幕府を倒し、政府や省庁という怪しげな組織を造った。その一つ、宮内庁(省)という新カルト団体が天皇を調教し、仏法徒だった天皇は、国家神道というカルト宗教に汚染され、天皇即位も葬式も服装もテロリスト好みに歪められた。明治天皇は死ぬ前に仏式即位できなかった無念を漏らした。日本の〈象徴〉たる天皇すら、個人、個性、人格、権利、本来の即位、本来の葬儀などが尊重されない。日本の〈象徴〉たる天皇や平和の〈象徴〉たるオールマイトが「自分」を知らないなら、デクも「自分」を知らない。もちろん〈象徴〉も誤訳だ。正しい字面も中身もない〈象徴〉はひどい間違いが発生する。

正しさと社会を知らない者
ステインはオールマイトを本物と呼び、正しい社会を目指したが、朕はステインに同意しない。なぜならステインも〈正しい(right)〉〈社会(society)〉を知らない偽物だからだ。正しい社会は自らを顧みた〈個人〉が基本条件だ。ステインは正しさや社会を逆さまに捉えている。もしもヒーローの条件に「自分を大切にする」「自分の身近な人を大切にする」が含まれるなら、オールマイトやデクは本物のヒーローではない。ヒーローは言葉で明確に定義できないけれど、オールマイトやナイトアイの関係、今のデクが何かおかしいのは否めない。

まるで戦前
日本の中に日本と真実はすでにない。守るべき日本はもうない。今の日本の中身は英語誤訳から生まれた偽物と、洗脳と、勘違いから来る地獄だ。だから「現状維持」「偽物でいいんだ」「日本は日本だから」「日本すごい」は禁句だ。日本や偽物や現状に居着かないで「更に向こう」「本物探し」をしないと公が悪魔に支配される。だからヒロアカで「人々を犯罪前に殺害する公安」、チェンソーマンで「悪魔が支配する公安」、呪術廻戦で「呪術界の下にある警察や公共機関や土地神」など、公が悪魔的な日本を描かざるを得ない。日本は象徴も公も個も狂っている。日本だ、天皇だ、柱だ、ヒーローだ、呪術師だと言っても、日本の狂気は一人で背負いきれない。本当のソーシャル/ササイエティはリーダーというフレンドを後ろからフォロワーたちが追うことで成立する。デク一人でできないことも、ある条件が揃った場合、象徴や魔王を凌ぐ。

魔王とは
朕は「魔王」の真実を知っている。西洋に主人公と魔王は存在しない。「勇者と魔王」は日本と太陽と天皇と源氏とカタナと明治維新を揺るがす問題で、西洋の問題ではない。ダイの大冒険の大魔王バーンが太陽を求める、ヒロアカのAFOが魔王を名乗る。呪廻の漏瑚が魔王の印を結び、それが伏黒恵と禪院真希の《葦》につながる。逃げ若の足利尊氏が登場する『太平記』は、太陽より高く、太陽に力を与えた魔王がいる。なぜ帝より武士が力を持ち、征夷大将軍に国王や大君と呼ばれる者が現れたのか?尾張の織田信長が第六天魔王と結びつけられるのも突発的な話ではない。これらは記紀や仏典より重要な話だ。なろう作品で悪くない魔王が量産されるのは、それぞれの作者の意図を超えている。文学者の坂口安吾は【両面宿儺を初代天皇たるべき人】と『安吾の新日本地理 飛騨・高山の抹殺』に書いた。『呪術廻戦』の「呪いの王としての宿儺」は、難しい日本の帝と魔王の問題をうまく漫画に落とし込んでいる。

つくられた正義
日本人は日本が西洋とだいたい同じと錯覚しているけれど、ぜんぜん違う。日本の尺度、太陽崇拝、【自然】、正義の味方、絶対的正義、絶対神、国民、市民、主人公、魔王、恥、世間、努力、頑張る、仲間、仲良し、空気読め、みんなに合わせろ、多数決、民主主義、社会、嘘も方便、三種の神器、年号などは欧米にまったく通じない。だから愛だ、平和だ、正義だ、自由だ、ヒーローだ、モブだ、サービスだ、クレームだ、フォローする━━という英語っぽい文脈も英語とはまったく違う。日本はまだ近代化していない。普通の近代化は、
「アダムから、男性や男王や父の権威を削ぐ→帝王の廃止や男女平等」
「リバティは王と臣民の廃止(天皇と大臣と国民の廃止はまだかな?)」
「クニ全員への呼称の一つは、市町村の差別がないシチズン(京人)」
「個人がみんなに合わせずに自由にエア(話)していい」
「公権力や共同体が個人のイコールやヒューマン・ライツを守らなければならない」
「デモクラシーは少数派の尊重」
だ。自由な王や自由の翼を描いてる漫画家はリバティやキングの初歩すら分かっていない。日本人が乱発している国民、市民、愛が恥ずかしい、空気読め、多数派に合わせろは近現代の非常識。ただし、「日本すごい」「日本は近代化してる」「日本は西洋を批判できる」「絶対的な神や正義を押しつける一神教」「絶対的な神や正義を倒す」というモブ心理で騙せば、商品が売れる。日本人はモブを知らないし、モブ心理につけこむ広告技術への防御手段もない。日本人は企業が広告費に最も金をかける理由を知らないし、モブ心理が自分たちにどんな悪影響を及ぼしているかまったく知らない。日本では、二次元はもちろん新聞や学問の世界すら、幼稚な感情を煽れば売れてしまうし、客観的な事実を書けば売れない。もしも朕が東京大学で特別講義をすれば、90分後には、『ONE PIECE』『進撃の巨人』が自由も王も正義もまったく幼稚なものだと明らかになる。

ネイチャーなき自然ザ・チルドレンなき子供
宮崎駿アニメに英語の「ネイチャー」「ザ・チルドレン」「ブラザー」「シスター」の文脈が出てきたことは一度もない。日本人が言う【自然】はネイチャーとは180度違う。押井守アニメにちゃんとした「アニメーション」「キャラクター」「シンボル」「ブランド」「ボディ」が出てきたこともない。庵野秀明アニメに「近現代のアダム」「アダム」「聖書の知恵」が出てきたこともない。映画でアニメを撮りたい監督は、宮崎駿、押井守、庵野秀明がすごいとか言ってる暇はない。

愛
このブログの漫画記事は『チェンソーマン』『呪術廻戦』が多めでも、テーマ的にキャラクターや漫画の枠を超えた話をずっと繰り返している。「友だち」「自由」「愛」は本当のラヴの話だ。
まともな漫画評論には、文系理系でないクリエイションとヒューマニティズ(アーツ)やそれ以前の《暇(σχολή)》《愛(ἀγάπη)》が要る。英語やラテン語で止まる者、「英語やキリスト教は抜きで」と逃げる者、知る努力をしない者は現代の日本も韓国も香港も中東もアメリカもロシアもヨーロッパも見えない。国内外がまったく見えないなら漫画も見えない。このブログにあるのは、日本の教科書や本で習う「アガペーとエロス」「グノーシス主義」とは次元が違う《知識(γνῶσις)》《知る(γινώσκω)》。あるキャラクター、ある漫画で終わってしまう感情や流行と違い、このブログはよく使われるキーワードから、本当の知が繰り返されている。
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追記:2021年8月10日
思い入れが強すぎてヒロアカの話がほとんど無い!