空想樹も扶桑樹もチェンソーマン絡み
帝高陽之苗裔兮朕皇考曰伯庸━━『楚辞』離騒
始皇帝以前、皆が朕、詔、璽の字を用いた。
ハロー、ガイズ。
朕は聖典と北欧神話とソロモン好きのヒストール、よろしく。
これは『チェンソーマン』13話の13年前回、「13」なる銃の悪魔の正体考察。コミックス全巻ネタバレ注意。タツキの読切『ルックバック』も絡むよ!
「13」なる銃の悪魔
銃の悪魔の正体は「虚空蔵菩薩」だ。
空虚、空き 、アキ。
早川アキ。
13年前(13話)
タツキ<えー、アキは最終的に銃の魔人になるので、AK銃があるんでそれをなんか思いついてアキにしました
L<なるほど
タツキ<あとなんか本人の操られてマキマに対して好意の感情が、に対して、何だろう、根本がない、何もない、空っぽの感じなのが、空いてるのかなってのが、アキ、というのがありました━━『ジャンプフェスタ2021』オンラインスタジオ チェンソーマン
タツキ本人によれば、アキは「AK銃」「マキマに対する好意の【根本がない】【何もない】【空っぽの感じ】【空いて】」の二種から来てる。ただ、タツキはそれらだけとは言ってない。全部ネタを話すわけがない。作中の小さなネタでも三つ以上の重ね要素がある。アキにもう一つ二つ三つ…「アキ」があってもおかしくない。その一つが「虚空蔵菩薩」。虚空、空虚な菩薩。空き。アキ。マキマのモデルが『有頂天家族』の弁天なので、銃の悪魔もマキマに近しい仏要素がある。
二度も出てくる
虚空蔵菩薩って何?
明星。『ルックバック』の背景にも二度出てきた。
背景を見て。
明星
虚空蔵菩薩。空海(774‐835)を悟らせ、歴代天皇や貴族達にずっと崇められてきた菩薩。別名、明星天子。明星天使。そのまま明星の堕天使、「明けの明星」を菩薩としたもの。楽園の蛇と同じく、人に智慧を与え、神々に転生できると虚言を吐く菩薩。『チェンソーマン』で中国、おそらくは香港のシーンに「米蘭(ミーラン)」「TAKE5」「新明星」「明星」「桑拿(サウナ)」「麗泉」など、太陽と明けの明星に関わるキーワードが出てくる。
堕ちた九つの太陽
下有湯谷。湯谷上有扶桑,十日所浴,━━『山海経』第九 海外東経
《淮南》言堯時十日並出,草木焦枯,堯命羿仰射十日,中其九日,日中九烏皆死,墮其羽翼,故留其一日也。━━『楚辞章句』第三 天問
邪悪なる竜は失墜し、世界は今、落陽に至る。撃ち落とす!『幻想大剣・天魔失墜』━━『Fate/Apocrypha』太陽の子カルナを落とすジーク
普通に考えれば、リアル香港の画像通り、「桑拿(サウナ)」はサウナで「麗泉」も単なる入浴のワードだ。しかし、中華の神話では、湯の谷の上に「扶桑」という神話的な樹があり、ここは「十日(十の太陽)」が湯浴みする所とある。そして、昔、十の太陽が一度に出て草木を枯らし焦がしたたため、帝たる堯の命令で羿という弓の名手が九つの太陽を落とし、太陽の中にいた九匹の烏(三本足)が死に、その羽と翼が堕ちた伝説がある(冒頭の『楚辞』の注釈書より)。日本の日と烏も落とさなきゃ。この伝説は、最も輝かしい天使だったルシファーが堕天した話を連想させる。これは物理的な太陽ではなく、十人が「日(帝)」を名乗り、汚い裏の顔がある堯の命令で、羿が九人の帝をブッ殺したの比喩か。この伝説の解釈はともかく、九つの太陽が落とされる物語は、「桑拿」━━扶桑を拿む━━「チェンソーマン』に合致する。
ハイ・ファンタジーにおける正統派の太陽と日本の落日。
ポチタが消した罪とアサヒ
『チェンソーマン』は太陽が弱り、地球が冷えてる描写が山盛り。太陽が描かれない。早川タイヨウが死ぬ。カレンダーが日曜日から始まらない。早川家の掃除当番表に日曜日がない。コウモリの悪魔が落ちた場所に「目立」、日が見切れた「本自動車協会」。夜行性のコウモリの悪魔がヒルに飛ぶ。夜行性のコウモリの恋人はヒルの悪魔。パワーが日本で巨大なクマやシロクマを殺す。夏の北海道に積雪する。夏のドイツ(?)でトーリカと師匠が暖炉に火を入れ、屋内で防寒着を着てる。天使の記憶しか日焼けした人が出ない。闇の悪魔が銃の悪魔よりずっとずっとヤバい。ポチタが食べたとある星の光のため、昔あったアサヒ・サントリー・札幌(幌=巾+日+光)等の太陽絡みビールが存在せず、アサヒ生ドライがTATUKI生ドライに変わっている。そして、北欧神話では神々の黄昏にフェンリルの「月の犬」が太陽女神をやらされている元人間のソールを食べる。犬扱いされるデンジは三度「満月🌕」と共に描かれ、「太陽」側のマキマを食べる。
米蘭遺跡の有翼天使
1989年、米蘭(ミーラン)遺跡で「翼ある天使像」が発見された。壁画に天使的な仏が。そして『チェンソーマン』の「米蘭」コマに「TAKE5」と「新明星」のワード。だから「明星天使」で「明星天子」を別名とする虚空蔵菩薩。しかしなぜ《新》なのか?何が「TAKE5」なのか?
金曜日は「5」番目(13話)
この世界の日本カレンダーは日曜でなく、月曜から始まる。銃の悪魔が初めて現れた1984年11月18日は金曜日だ。明けの明星は明け方の金星だ。そしてこの世界の日本カレンダーの金曜は「5」番目だ。「TAKE5」。
1997年9月12日
そして銃の悪魔が再び現れたのは1997年9月12日。これはアキたちの北海道墓参りのすぐ近く。アキの「背景を見て」。9月12日は金曜日と見て間違いないだろう。明け方の金星悪魔、銃の悪魔の活動条件は「金曜日」だ。
天皇の神社を守る明星天子
伊勢神宮の鬼門除けの為に明星天子を祀り鎮護している。
明星は日、月、星、の三字よりなり三光天子とも称され
国土安穏智慧成就の仏神である。
天皇家の神社、伊勢神宮の東北(丑寅)に明星天子の明星堂がある。そして仏道の丑は「ゴータマ」で、ゴータマな丑🐮は封じてはいけない聖なる生き物だ。なあ、天皇家や日本人が崇めてきたのは本当にゴータマ・ブッダの菩薩か?菩薩に化けてゴータマを封じる悪魔か?もうわかっただろ。鬼門はゴータマの門で、丑🐮三つ刻はゴータマの時間で、丑の刻参りもゴータマ参りで、丑の角あるオニはゴータマの使いだったのさ。日本はオニとホトケ・カミが逆転した悪魔の国だ。
東大寺のルシファー、虚空蔵菩薩
And no wonder, for even Satan disguises himself as an angel of light.
━━2 Corinthians 11:14
驚くに及びません。サタンでさえ光の天使を装うのです。
━━コリント人への手紙第二 11章14節
銃の悪魔の正体は、金曜日、金星、明星、(ミーランの)天使に関わる者、明星天使、明星天子、虚空蔵菩薩だ!「アキ」は虚空の“空き”。「アキ」は明けの明星の“明け”。日本はルシファーが空ろな天子の姿で虚言を吐き、天皇や貴族や僧侶を支配してきた。
『失楽園』サタン
ではなぜ「新明星」なのか。それはチェンソーマンがアサヒ・サントリー・札幌(巾+日+光)に関わる悪魔を食べたから、本来のルシファーは消えて新しい明星になった。1984年に現れた銃の悪魔はあくまで劣化版ルシファー。朕の予想。チェンソーの心臓を欲しがる悪魔たちの目的は、「明けの明星」を取り戻すこと。各国がチェンソーの心臓を求めたのはマキマの最悪の平和を防ぐため。チェンソーマンは太陽を弱らせて明けの明星を消したが、明けの明星はさまざまな属性(サタン、アダムとエヴァを騙した蛇、闇、コウモリ、サソリなど)を内包するため、完全には消えない。と言うよりサタンは悪魔の種そのものなので完全には消せない。悪魔は完全に死ねば能力が解除される。それでサタンの分身達は明けの明星を取り戻そうとしていた、と。
チェンソーマンが食べても消えない
タツキ<デンジは天使、あの、悪魔と戦う話なので天使に、デンジっぽいキャラクターだから濁音付けようと、濁りを付けようと思ってデンジになりました
━━『ジャンプフェスタ2021』オンラインスタジオ チェンソーマン
「武器の悪魔達」━━頭部や両腕からその武器が出てる銃の悪魔や武器の悪魔達とチェンソーマンはどんな関係なのか?デンジ(天使)と明星天使の銃の悪魔は「堕テンシ」つながりでわかりやすい。武器の悪魔達は?天使くんと関係あるの?━━の話はしない!情報量が多すぎる。別の記事に書いた「銃と闇と蛇はルシファーに戻りたい」も情報量が多い。
二度も「明星」
『ルックバック』で二度も出てくる背景を見て。それが銃の悪魔への気づきになる。前編でだいたい話は終わり。後半でタイトル回収。前編だけを読んでも「銃の悪魔はルシファーで虚空蔵菩薩なんですよ?( ˘〜˘)どやっ」と分かった感を出せる。『チェンソーマン』読者がさっと読み流す部分でも、聖書、仏典、日本神話、中国神話、北欧神話など色々詰め込んである。『チェンソーマン』は映画やゲームや漫画やタツキ読切やタツキ脳内漫画のネタもあるので考察が楽しい(^ω^)
そう言えば、この手の漫画考察は美容室の話題になるのかな。『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『チェンソーマン』辺りは盛り上がりそう。
ここまで読んでくれた人に感謝を。
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シーヤ👋
追記
怒りのアグニと化した後編。ファイアパンチ!ファイアパンチ!