ヒストールのブログ

日を直すナホビノ

【進撃の巨人138話】ハルキゲニアに愛よ届け! 〜二人は幸せなキスをした〜

 

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洗礼者ヨハネの生首にキスするサロメ
 
 ハロー、ガイズ。
 わたし聖書ヴィヴリア北欧神話ノアス・ミサラズィとミカサ好きのヒストール。
 これは『進撃の巨人』138話を通じた総括的な記事。いや、進撃を通じた日本の状況を語る記事。進撃の内容はあまり触れず、キーワードについての話。 
 

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ミカサのキス
 
 ミカサとエレンは幸せなキスをした。
 ユミルの「未練」は結婚式のキスに向いていた。ユミルの未練は解けた。
 アニと父は言葉を交わせなかった。
 ライナーは母カリナと人として会えなかった。苦しめ。
 ガビはパパママと再会できた。 
 ジャンやコニーやガビは大きくなった。
 

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北欧神話フリッグ
 
 138話を見る限り、おおむね各人の行いが報われていた。とは言え「自由(Free)」と言うには愛が浸透しなかった。Fri-(pri-)の語源は「to love(愛)」でfree, friend, Fridayは「愛」の語。Fridayは北欧神話の愛の神Friggフリッグローマ神話のVenusに由来する。Girlfriendsやboyfriendは「恋人」の意になるが、日本語の「友達」は愛や恋とつながらない。進撃はラヴとしての自由、友達、金曜日が描かれない。
 

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カルラの愛
 
 進撃はカルラの愛が出てくるが、ラヴから派生するクリエイト、フォーギヴ、ピース(平和)、リバティ、フリー、フレンド、ピティの流れはない。また、西洋に〈宗教〉〈教会〉〈教皇〉〈司教〉〈司祭〉〈枢機卿〉〈絶対〉という変な語彙は存在しない。これらは日本人がねつ造した誤訳だ。進撃は〈宗教〉〈絶対神〉を悪役にしていないが、愛と自由に関して極度に無知だ。
 

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樹おいしい
 
そびえ立つユグドラシルとねりこは恐怖に震え、老樹はうめく。巨人は自由の身になる。ヘルの道すじにある者はことごとく恐れおののき、やがて、スルトの身内は老樹を呑み込む。
━━『巫女の予言』谷口幸男訳

 

 日本は西暦を使うまで、週や曜日や休日を知らなかった。クリエイトの七日間に基づく週や休日(正しくは聖日)はバイブル由来。英語の曜日は主に北欧神話、少しローマ神話に基づいている。北欧神話から火曜日テューズデーテュール水曜日ウェンズデーオーディン木曜日サーズデーはソー、金曜日フライデーフリッグ。進撃は北欧神話のユミルや巨人を使うが、曜日やアース神族や他の巨人は出てこない。
 

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クリエイターとゴッドを語るオニャンコポン
 
オニャンコポン「俺達を創った奴はこう考えた。色んな奴がいた方が面白いってな。巨人になる人間『ユミルの民』も同じさ。俺達は求められたから存在する」 
アルミン「誰が僕らを作ったの?」
オニャンコポン「『始祖ユミル』に力を与えた存在、すなわちだ…」

 

  クリエイトはラヴに満ちた天国(ヘヴン)を生じさせる。だからクリエイトは機械的無感情的な「作る」ではなく、ラヴとほぼ同じ。聖書のラヴから日本ではじめて「愛する、愛情、恋愛」が使われるようになった。進撃のテーマの〈自由〉だが、これもクリエイトに由来する。日本国憲法の平等や権利(生命権や自由権や幸福追求権)はクリエイターがクリエイトしたもので、アメリカ独立宣言を真似たもの。クリエイトはヘヴンやヘルやイコールやライツやリバティのように“形のないもの”を存在させ、物体を発生させない。物体を発生させるのはメイク、物体から形整えるのはフォーム。ラヴやクリエイトは日本や漢文や仏典にない語。福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」もアメリカ独立宣言から。日本人は愛も週も曜日も休日も平等も権利も自由もクリスチャンを真似た。日本や中華や仏典は“クリエイト”に該当する語がない。
 

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俺とライナーは同じだけど敵だから駆逐
 
 ラヴから必ず出るのが「ゆるす」だ。99話ではアニが開拓地のおじさんについて「誰かに許してほしかったんでしょ」と言い、ベルトルトは「僕は…なぜかこう思うんだ…あのおじさんは誰かに━━裁いてほしかったんじゃないかな」と返す。ライナーも「裁いてほしく」なるが、エレンはライナーを裁かず、ラヴから許さなかった。壁外人類はカール・フリッツ王の真相を知ってもエルディア人をゆるさなかった(エレンのタイバー公殺しのせいでもあるが)。
 

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七つの指輪もつ七人のドワーフロード
 
 近代ファンタジートールキンの『指輪物語ロード・オブ・ザ・リング(1954-1955年出版)』『ホビットの冒険(1937年)』がベースで、さらにトールキン・ファンタジー北欧神話による。進撃はユミルの名を出し太陽の動きが奇妙だが、ユミルの死後、太陽神に先んじて太陽や月や星を配置した四人のドワーフは出ない。東のアウストリ、西のヴェストリ、北のノルズリ、南のスズリ。進撃はユミルを倒した北欧神話の主神オーディンも出ないし、ソー、ロキ、エルフ、ライトエルフ、ダークエルフの語も出ない。日本は『白雪と七人のドワーフ』を『白雪姫と七人の小人』と訳し、シューベルトの『エルフキング』を『魔王』と訳し、絵本や音楽でエルフやドワーフを知る道を塞いでいる。進撃は北欧神話のユミルを使いながら、北欧の道に進まない。ハルキゲニアは北欧神話とつながらない。
 

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ローマ神話のナートゥーラ(ここでは擬人化)
   
 日本神話はローマ神話と違い、天と地球を分ける「Naturaナートゥーラ」、愛の女神ウェヌスヴィーナス自由リバティの女神リーベルタース正義ジャスティの女神ユースティティアが四つともない。ラテン語Naturaナートゥーラが英語のNatureネイチャーになり、ナチュラル・ロー(誤訳:自然しぜん法)がクリエイターとは別にイコールやヒューマン・ライツの源となった。けれども、〈権利〉は英語ライト、〈自然しぜん〉は英語ネイチャーから誤訳された勘違い造語だ。誤訳されるまで〈権利〉や〈自然しぜん〉は日本語になかった。自や由でないリバティやフリーが〈自由〉と誤訳されたのも薄い蓄積しかない。自由の源の源、英語ネイチャー。豊かな/貧しいネイチャー、ネイチャーが多い/少ない、美しいネイチャーという言い方はない。勘違いから造られた〈自然しぜん〉は貧富や多少や美しいがつく。自然しぜん〉〈自由〉〈権利〉の誤訳誤用がある限り、本物のネイチャー、リバティ、フリー、ライツは広まらず、悪と罪と老害だらけのジャパンが続く。
 

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リーベルタースに基づく“Statue of Liberty”
  
We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness. ━━United States Declaration of Independence
 
日本国憲法第11条 国民は,すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は,侵すことのできない永久の権利として,現在及び将来の国民に与へられる。
 
日本国憲法第13条 すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする   

 

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自由

 

 近代フランスやアメリカのようにシチズンがリバティで建てた邦。シチズンが何か知らず天皇憲法も“お上任せ”で選んでない島民。日本と米仏では人々の「リバティ」理解度に格差がある。日本・中華・仏法を含めてリバティ・フリーの源「ネイチャー」「クリエイター」がなく、庶民自らクニを建てないのだから、仏典から〈自由〉誤訳を振りかざしてもわかるわけがない。平等や自由は口だけで帝臣民の不平等と不自由を廃止しないから、なおさら自由は薄っぺらくなる。進撃の自由は、〈自由〉の無知を変えない。

 

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《民》に不正確な進撃と《民》に正確な虚淵玄FGO
 
 進撃では「ユミルの民」「他民族」「民族浄化」という言葉が無自覚に使われる。だが、西洋に《民(目を針で刺された奴隷)》という言葉はなく、民主主義、庶民、国民、人民、市民、農民、民間のなどの奴隷語はない。古来より、臣や人と民は分けられており、「人臣」は支配層、《民》は支配される者。儒、孔孟は《民》に知識を与えて支配し、道、老荘は《民》の知識を奪って支配する━━儒も道も《民》を人でなしの準奴隷とする点で変わらない丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶天武が編纂させた日本神話では《ひとくさ》と読み、人ではなく人の形をした草とし、〈蒼生あおひとぐさ〉と書いて人でなしとした。《民》が人であり《権》を持つという発想は江戸時代になかったし、明治初期でも支配層が〈民権〉と聞いて激怒するほど、《民》は人ではなかった。

 

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《家》は豚小屋
 
  進撃では《国》《家》の字が無自覚に使われる。西洋は皇帝・劉邦避諱ひき(偉い人の本名を言い記すのを避ける事)して《クニ》を《国》で代用しない。《国》は皇帝のクニ限定の字。西洋は皇帝・司馬師避諱ひきし「京師」を「京都」で代用しない。聖書やクルアーンで、《豚》は自分の頭で考えず、間違った分別をうのみ(反芻しない)にして群れる者のたとえ。豚肉は「みんなに合わせろ」「空気読め」の豚どもに押しつけられる価値観。《豚》を忌避する西洋や中東のホームは、《家》━━屋根の下[宀]の豕[豚]━━ではない。聖書やクルアーンでは、牛が自分の頭で考えて分別を持った(反芻する)人のたとえ。ホームは《牢》だ。《家》こそ奴隷小屋で《牢》こそ人の住まい。エンペラーへの避諱ひきがない英語のネーションは国家━━帝国の豚小屋━━ではない。
 

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138話の「お父さん」
 
 進撃では「父さん」「母さん」が無自覚に使われる。中国人でも父母に「お」「さん」「さま」をつけて呼ばない。英語圏では、ふつうファーザーやマザーと呼ばない。ファーザーを使うのはチャーチのファーザーに対して。ふつうはダアド(Dad)やマム(Mom)と言う。幼児語はダディ(Daddy)やマミー(Mommy)。英語圏はダアドやマムに「お」「さん」「さま」「上」など付けないし、チャーチのファーザーに「神父」「神父さま」「神父さん」と変な語をつけない。ゴッドに「さま」も付けない。日本メディアは真実を隠蔽している。

 

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弟と兄さん
 
 進撃では《兄》《弟》《姉》《妹》の字が無自覚に使われる。聖書やクルアーンや欧州神話に《兄》《弟》《姉》《妹》の年齢差別用語はない。ブラザーやシスターは年齢がない。最近は日本アニメの英訳でも性差のないシブリング(ブラザー&シスター)が好まれ、シブリングズは名前で呼び合う。また、西洋や中東に〈目上目下〉〈年上年下〉〈先輩後輩〉〈先生生徒〉の年齢差別用語もない。中国や江戸時代以前の日本は一歳差で目上目下、年上年下、先輩後輩が分かれるという発想や習慣がない。日本の家庭や学校はカルト教団より危険な洗脳をしている。
 
 進撃では「王」「帝国」がふわっと使われる。ナチス・ドイツ第三帝国ではないし、ナポレオンは皇帝ではないし、ローマに教皇や皇帝はいない。チャーチのポープは幼児語「ダディ」で、教皇や法王ではない。英語のエンペラーの源、ローマのインペラートルは征夷大将軍的な役職だ。USAやUK(“イギリス”は日本人だけが使う帝国主義的な差別表現)の品の良い新聞はクイーンに「陛下(majesty)」「殿下(highness)」などつけない。
 

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店主も生徒会長もプレジデント
 
 ついでに言えば、ミニスターは【小立コダチ】で〈大臣〉は悪意ある誤訳だ。プレジデントは【前座】で〈大統領〉〈社長〉〈学長〉は悪意ある誤訳だ。たとえば、プレジデントは日本アニメの英訳で一店主(『ドロヘドロ』のタンバ社長)や生徒会長(『かぐや様は告らせたい』の白銀)に使われた。USAのセクレテリは【秘書】で〈長官〉は悪意ある誤訳。ここ200年ほどアメリカに〈上院〉〈下院〉はないが、文科省は悪意から子供を洗脳している。ホワイトハウスは〈白院〉ではない。ヒトラーは【リーダー】で〈総統〉ではない。欧米人は謙虚で品が良く控えめな語を使う。日本人は傲慢で品が無く偉そうな語を使い、嘘で洗脳教育し、洗脳報道し、洗脳出版する。
 
 諫山創は帝、王、民、国、家、兄、弟、姉、妹、エンペラー、キング、ザ・ピープル、ネイシャン、ホーム、ファーザー、ダッド、ダディ、マザー、マム、マミー、ブラザー、シスター、シブリングを知らない。知って調節してるのではなく、ただ知らない。これは彼に限らず、日本の家庭、文科省、学校、予備校、天皇宮内庁内閣府、政府、テレビ局、出版社、文学者、哲学者、批評家、日本人クリスチャン、日本人ムスリムムスリマ仏教徒、神社関係者、都道府県、市町村全ての問題でもある。皆、だらしなく知りたがらないだけで切実な理由は何もない。
 

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世界は残酷
 
 進撃では「世界は残酷だ」と言う。だが、ワールドやピープルやチルドレンは〈the〉をつけることで、クニや人種や肌や髪で差別しないの意になる。マイケル・ジャクソンが作詞した「We are the World. We are the children」はそういう“ザ”だ。各邦カッコク共立トモタチ憲法)で規準にし、ニュースやデモで使うのは国や人種で差別しないザ・ピープル。【国民】差別は悪魔だけだ。島の悪魔は【国民】【世界】【子供】という誤訳でザ・ワールドとザ・ピープルとザ・チルドレンを否定し続ける。島は人類そのものを拒絶する森の中。諫山創や日本人の耳にザ・ワールドの歌声が届かない。
 

We Are The World 25 For Haiti - Official Video
 
 結局、エレンも誰も、本当の外に出なかった。最終回がどうなろうと、今さら自由や世界や自然や権利や兄弟姉妹や家や国や帝や民などの誤訳と流れを直せない。
 

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バイブル・ラヴ
 
 逆に、森の木をノコギリで切り、ラヴとフリーとリバティーへの道を開いたマンガ・アートがある。『チェンソーマン』だ。パワーは妹のようだが最後はラヴから「友達」を表す。家につながる豚の悪魔は殺される。聖書の【クリエイト】は、作中の「名付けて存在を消す」「(森を)切り開く」「食べる/食べない」「ワシら(デンジとパワー)が創った」に直接つながり、愛で締める。チェンソーマン』は旧約聖書新約聖書や黙示録やギリシャローマ神話や天使論や『失楽園』や『有頂天家族』やサメ映画やタツキ読切や現代英語など、あらゆるものにつながっている。矛盾した言い方をすれば、『チェンソーマン』は一貫して聖なるラヴが示されたアートだ。
 
tenfingers.hatenablog.com
 

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〈芸術〉と〈宗教〉
 
  進撃では〈芸術〉や〈宗教〉の造語が使われる。アーツはヒューマニティズと同じで神がクリエイトしない「人が造ったもの」。アーツ&ヒューマニティズは狭義のサイエンスでないもの。が、日本人は聖書由来のサイエンスを〈科学〉、アーツを〈芸術〉と誤訳し、〈高級〉なものと思い込んでいる。アーツ(ヒューマニティズ)は芸術文学言語学歴史学、音楽、哲学宗教学、法学、政治学が含まれるが、下線部は全文字誤訳で元から日本にない。誤訳で蓄積がないため、日本語で「芸術に政治や法や宗教や語学が含まれる」と言ってもしっくりこない。ソーシャルサイエンスは言語学歴史学、考古学、心理学、政治学、経済学、経営学、メディア研究、人文地理学、人類学を含む。日本語で「社会科学は英語や政治や心理やメディアや経済を扱う」と言っても一般人に通じない。〈文系理系〉は日本独自の間違いで、何の由緒もない。欧米のコミックやテレビや映画やゲームは「〜サイエンス」「アーツ(ヒューマニティズ)」が反映されるが、日本人は基本語彙が狂ってるので何もわからない。
 

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源頼光木曽義仲源義経が使った中華刀と荊軻匕首
  
沛公は貴坊の属鏤を伝へ、白蛇の霊を切り、天帝の名を出だすを得たり。始皇は、荊軻(けいか)の匕首を取つて、使の命を断ち、聖明の運を出だす事を全うす。凡そ白黄の徳、弓馬矢石の勢、五戈の計、四義の品、皆これ国を治むるの術、位を保つの基なり。尤も賞翫せらるべきは刀剣の類なり。抑々日本に多くの剣あり。所謂宝剣、十柄剣・鬚切・膝丸・小鴉なり。━━『平家物語』剣巻
 
蓋国は強大なる燕の南、ヤマトの北にあり、ヤマトは燕に属す。━━『山海経』海内北経第十二 高馬三良

 

 日本での兄弟姉妹の源は、神話のイザナギイザナミ兄妹、太陽女神アマテラスと天下を治すスサノオ姉弟にある。イザナギは妻を焼いたわが子カグツチを十拳剣で殺す。スサノオヤマタノオロチを十拳剣で殺す。『平家物語』剣巻は、文頭に、劉邦属鏤ショクル(呉の名剣)や荊軻匕首について書き、次いでスサノオヤマタノオロチを切った十拳剣、渡辺綱の髭切(鬼丸)や源頼光の膝丸(蜘蛛切)について書く。この鬼退治の二刀は、中華の刀鍛冶が打ったと記されている。荊軻は燕の使者として始皇帝を討とうとし、大陸のヤマトは燕に属していた。燕(ヤマト)と秦、秦と漢の因縁は、日本と■の争いに持ち越され、それがヤマタノオロチスサノオヤマタノオロチの子たる酒呑童子源頼光の争いに持ち込された。また中国語は日本語の「おに」「鬼門」の文脈がない。『平家物語』では神竜(ヤマタノオロチ)が天皇から霊剣を取り返したのは理とある。奈良絵本『酒典童子』では鬼神が伊吹大明神(ヤマタノオロチ)の子とされる。大蛇や鬼神こそが帝剣の正統所有者、鬼退治の刀が中華刀で、草薙剣はすでにない事、おには鬼でない事、鬼門は風水でない事天皇や京都や東京の終わり、《国》《帝》《民》《兄》《弟》《姉》《妹》の終わりにつながる。
 

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太陽を追うスコルと月を追うハティ・フローズヴィトニスソン
 
 先述した通り、北欧神話ではユミルの死後、四人のドワーフが太陽や月や星を配置し、その後、不遜な人間が罰として太陽女神や月神をやらされ、太陽と月の神人はオオカミに追いかけられ、ラグナロクで食われる。この辺りをレイス王族や王剣や太陽(姉)や王(弟)の終わりと絡めれば良かったのに。
 

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ダマーヴァンド山から射るアーラシュ
 
 とっくの昔に日本や中華や仏教の時代と権威は終わり、全生活は英語に依存している。ハイ・ファンタジー北欧神話に依拠している。コミュニケーションやパブリックやネーションやガバメントやポリスやジャッジメントやニュースやスクールやテレビジョンやムービーやアニメーションやリアルやインターネットやマネーを動かす仕組みは英語で、日本語や中国語や梵語ではない。また、ギリシャ・ローマに先んじたメソポタミア神話やアヴェスター、ヨーロッパやユダヤに先んじたイスラームアラビア語に習うべき事がダマーヴァンド山のようにある。そもそも、ゾロアスターが始めなければ、天国もヴァルハラもロンギヌスの槍グングニルラグナロクも黙示録も白馬の王子もなかったのだから。また、北欧神話という【他の神話もわかる神話】がないと、他の神話は難しくて分からない。
 

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ぐるぐる回るだけ
 
 近現代のクニとヒトと法は、古代ローマをベースにし、中世のカノン法(教会法と誤訳)を経て今の形になった。ローマと聖書抜きでは、ヒトやクニや法が一つも分からない。北欧神話から神話を引いたら、トールキン以降のファンタジーも全て分からない。漫画でもよく使う現代日本語が全文字誤訳だらけ穴だらけなのに、北欧とローマと聖書抜きで「自由」「世界」「国民」を語りハルキギニアを出してどうなる?それはヘンゼルとグレーテルを森に捨てて迷わせる大人だ。
 
 島の外、森の外に出る━━。日本人は「よそ」「よそ者」を嫌うが、実はヨソ英語から全文字誤訳の造語をたくさん使っている。存在、選挙、教育、表現/表情、経験/体験、実験、交換、説明、輸出。正しくは、
 
外立ヨソダチ(existence)━━存在。
外選ヨソエラビ(election)━━選挙。
外導ヨソミチビキ(education)━━教育。
外押ヨソオシ(expression)━━表現/表情。
外試ヨソダメシ(experience)━━経験/体験。
外験ヨソタメシ(experiment)━━実験。
外易ヨソガエ(exchange)━━交換、交流。
外均ヨソナラシ(explanation)━━説明。
外運ヨソハコビ(export)━━輸出。
 
 ヨソ英語、exから始まる語だけでも350以上あるが、【ヨソ】として定着した翻訳語はない。英語の【ウチ(in)】は基本的に個人で、ファミリーやグループやカンパニーの都合を「うちの都合」とは言わない。日本語の「うち」はプライベートを侵略する悪魔的な洗脳だ。ちなみに〈個人〉〈個性〉は英語誤訳の造語で、日本語になかった(ここはヒロアカ英訳に関わる)。本語の「うちとよそ」はヒトを壊す洗脳。〈個人〉〈個性〉は誤字誤訳で誤用されている。森の外、壁の外に出るには英語を知るしかない。
 

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外と中
 
 エレンは「海の外も壁の中も同じなんだ」と言うが、日本島の「うちとよそ」と英語の「イクスとイン」は全く違う。作者がヨソ英語━━存在、選挙、教育、表現/表情、経験/体験、実験、交換、説明、輸出━━などを【ヨソのつかない日本語】だと思っていたら、島のヨソ外押ヨソオシ(表現)できない。
 

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負けを描く
 
 『進撃の巨人』は週刊少年ジャンプより勢いがあり、しっかりしたストーリーがある。被害者と加害者を逆転させて綿密に描いた。ジャンプの勝利ではなく“敗北”を描いた。諫山創の画力は凄まじく上がったし、ライナーいじりはとてもいい趣味をしている。だが進撃は、イクスもインもクリエイターもフリーもリバティもネイチャーもザ・ワールドもザ・ピープルもザ・チルドレンもネイシャンもホームもブラザーやシスターやダアドもマムもなしで【中】【外】【創った奴】【自由】【自然】【世界】【国民】【子供】【国】【家】【兄】【弟】【姉】【妹】【父さん】【母さん】を使っている。まさに「負けたことしかないんだよ?」漫画だった。 よく描ききった。けれど、進撃を受け取る側は勝たなければならない。勝ちには聖書と神話と英語が要る。
 
 本当 良くないですけど 読者も傷つけるとか
 正直実はそれがすごくしたかった気がします
 人を裏切るとか 人を傷つけるとか
 なにか攻撃がしたいんだと思います
 ━━諫山創
 

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Hallucigenia
 
 どこにもつながらない不自由で不生命で不幸なハルキゲニアよ。どうか貴方の心に愛を。
 ラヴはライフやリバティやハッピネスをクリエイトした。
 
We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness. ━━United States Declaration of Independence
  
われらはこれらの真実を自明であると見なす、すなわち、すべての人々はオナジてられ、人々の建者テルモによって、イノチ愛解イトトキサチの追求を含む譲渡できないマサを天与されていると。━━アメリカ独立宣言

 

 
エッダ―古代北欧歌謡集

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  • メディア: 単行本